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資本流出

経済産業省の北畑隆生事務次官が講演会で、個人のデイトレーダーについて、「経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」と評した。その上で、この事務官は、議決権がない代わりに配当で優遇される「無議決権株式」の上場を唱えた。

経済産業省の時間にまで上り詰めた人が、これほど経済について無知だと、日本経済にとっては不安材料が増す。デイトレーダーはほとんど議決権を行使しないし、めったに配当を受け取らない。デイトレーダーを持ち出して無議決権株式の導入を唱えても意味がない。

デイトレーダーは「バカ」であるかもしれない。日々いろいろな銘柄を売買するという点では、「浮気」しているともいえる。しかし、デイトレーダーの存在は、株式市場の流動性を増し、急騰や急落を緩和する。デイトレードが活発に行われなければ、中長期の投資もやりにくい。世界中の取引所でデイトレーダーに使いやすい環境を整える努力を続けている最中に、高級官僚のデイトレーダー蔑視発言があれば、stop注文受注すら実装していない取引所、そして日本経済にとっては少なからず損失が発生する。

スティール・パートナーズの敵対的買収の対象になっていたブルドッグソースは、新株予約権発行で買収防衛策を講じた。スティール側は司法に差し止め措置を求めたが、裁判所はブルドッグソースを支持し、スティールの要望を退けた。これはいい。しかし、裁判所はスティール・パートナーズに「濫用的買収者」の汚名を着せてしまった。

北畑事務次官は、スティール・パートナーズについても、「バカで強欲で浮気で無責任で脅す人というわけですから、七つの大罪のかなりの部分がある人たちがいる」と評した。

敵対的買収そのものは合法であり、倫理的にも問題がない。株を買うのに経営陣の再同意は必要がない。過半数の株を握ったものが経営権を握るのが株式会社の当然の前提であり、株を公開している会社は、その当然の前提にすでに同意しているのである。

日本の大企業は海外進出を続けている。資本は日本からどんどん流出している。サブプライムローン問題はアメリカから始まったが、日本の方が株価の下げ幅が大きい。

流出した資本と少なくとも同額の資本が日本に流入しなければ、日本経済の長期的な成長は鈍化するし、雇用も安定しない。福田総理大臣は対日投資を促進するために努力することを表明したが、北畑を更迭していない。海外から見れば、北畑の身勝手な発言と福田の指導力の不足で、対日投資は危険性の高いものだということになる。

東京証券取引所での取引額は世界第11位に転落している。シンガポールにすら及ばない。

そろそろ「バカ」な北畑を更迭させるか、「無責任」な福田を失脚させなければ、現在の景気は中小企業と地方に潤いをもたらす前に終わってしまう。

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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済


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