タクシーの仕事も規制緩和による過当競争、企業の支出抑制による顧客の減少と言うダブルパンチが効いていて、こちらはこちらで難しい局面ではあります。
さて、そのタクシーですが、実際に乗務を始めてまもなく、色々なものが見える仕事であることが分かってきました。
一番見えるのは町の活力・・
町にも元気な日と、そうでない日があります。
同じ金曜の夜でも町中に活気が漂い、ほろ酔い・・あるいは泥酔状態の人がたくさん乗車してくれる夜と、まったくナシの礫・・ひっそり静まりかえる夜もあります。
同じ平日の朝でもハイヤーが連続してはいる日と、やはり朝から町が静まりかえる日があります。
それから様々な問題も見えてきます。
神戸の町は平地がほとんどなく、坂の町と言っても良いほどですが、坂の上り下りを伴う南北の移動にはバスや鉄道は便が悪く、勢い、タクシーの出番となります。
といっても、町中の坂の部分は大半が数百メートルですから、ワンメーター(2キロまで)のお客が大半を占めると言う結果になります。
また、場所によっては道幅が狭く、バスが乗り入れできない場所も多くあり、若い人はともかく、お年寄りには厳しい地形です。
この結果、日中に乗車頂くのは大半がお年寄りであると言う・・状況になり、それは日中が比較的暇なタクシー業界には有り難いことなのですが、折角の70歳以上のお年寄りの市バス無料乗車証も、居住地によってはほとんど使えず、買い物ひとつでもタクシーの高額な料金を日常的に支払わなければならないと言ったことも見えてきます。
駐車違反や飲酒運転などの警察の取り締まりが厳しくなった商店街では、日に日にお店が撤退していく様子も見えます。
また、お客とのさり気ない会話のなかにも今までの自分が気づかなかったいろんな社会の問題点が見えてくることもありますね。
職業の印象としては決して良く思われることの少ないタクシーの仕事ですが、はじめてみると案外魅力的なものであることも分かるようになってきました。
坂の細い道を登りきり、ふっと視界が開けた瞬間に飛び込んでくる町の景色は・・この愛すべき町にいることの感謝すら感じさせるほどです。
僕個人としてはこれからじっくりと、この町の様子を肌で感じながら、細く、長く、続けていきたい・・そういう気持ちになってきています。
byこう@電車おやじ

