浦沢直樹「20世紀少年」の最終章の連載が開始されるそうだ。
「ともだち」と呼ばれる者が世界を支配していくという、一見、荒唐無稽な筋書きだが、
自由がどんどん奪われていく様子がとても細かく描かれており、
人類の歴史の底流に流れるものを感じさせるよくできたストーリーだ。
単行本18巻のエピソードを紹介したい。
反政府デモに参加し、ひょんなことから物語の主要人物・オッチョを助ける羽目になった少女・サナエ。危険な目に遭いながらも重要な役割を演じ、オッチョと別れる時、こう言う。
あたし、別に政治活動とかに興味があってデモに参加していたわけじゃなくて・・・
バイト先の先輩の行方がわからなくなって・・・
友達のミエコが先輩のこと好きだって言ってて・・・
ミエコのために先輩を探すんだって言ってたけど・・・
実は・・・実はあたしも・・・先輩のこと好きで・・・
こんないいかげんな理由で首を突っ込むから・・・
そういうサナエに対し、オッチョはこう言う
いいかげんなもんか。
そういうのが、普通に生きるということだ。
普通に生きる。普通の感覚を持つ。
そして、その普通の感覚から見て、どうしても理解できないものにどう対処するか。
僕は「20世紀少年」からは、そうしたメッセージを感じる。
主人公のケンヂは、物語の中でこんな歌を歌う。
日が暮れてどこからか カレーの匂いがしてる
どれだけ歩いたら 家にたどりつけるかな
僕のお気に入りの 肉屋のコロッケは
いつも通りの味で 待っててくれるかな
地球の上に夜が来る
僕は今 家路を急ぐ
来年のことを言うと 鬼が笑うっていうなら
笑いたいだけ 笑わせとけばいい
僕は言い続けるよ
5年先 10年先のことを
50年後も 君とこうしているだろうと
地球の上に夜が来る
僕は今 家路を急ぐ
雨が降っても 嵐が来ても 槍が降ろうとも
みんな家に帰ろう
誰にも邪魔させない
誰にも止める権利なんかない
地球の上に夜が来る
僕は今 家路を急ぐ
世界中に夜が来る
世界中が 家路を急ぐ
そんな毎日が君のまわりで
ずっとずっと続きますように

