僕は人込みの中、展示を見て歩くのは苦手なので、最初からステージだけを見るつもりで行きました。
そのステージの出し物は、最初は各学年コーラス大会での優勝クラスの合唱・・
学年全員による大合唱・・
と続いたのですが、この中学が恒例にしているらしい生徒会主演の演劇・・これが傑作でした。
「教科書が心を持てば」とかなんとか・・そういうタイトルだったように思います。
中間試験前のある女子生徒の本棚の教科書が言葉を喋ります。
きっかけは「明日美術の試験なのに!美術の本がない!」という、女子生徒の慌てふためく所からなのですが、結局、友達に試験範囲を電話で尋ねながらも、教科書が見当たらないので・・その生徒は「美術は入試に関係ないし!捨てよう!」と決意?
そして寝てしまいます。
さて、教科書たちは騒ぎ始めます。
「美術のやつ、どこへ行ったんだろう?」
から始まりますが、実は美術の教科書はごみ箱の向こうに隠れていたのです。
美術も見つかり、国語、数学、社会、理科、英語、技術家庭、音楽・・そして美術と9教科が揃うのですが、いきなり理科がこう言います。
「ま・・お前達、4教科は受験には関係ないし・・」
この言葉に対して保健体育が怒り出します。
「俺達は受験には関係ないかもしれないが生きていく上で必要」
そこへ英語・・
「ま・・好きなことを言ってなさい!あんたたちがいくら頑張っても、結局は捨てられるだけなのよ」
社会・・
「結局、必要なのは俺達5教科だけなんだよ」
数学・・
「脳みそが筋肉の君たちには分からないだろうがね」
排斥された4教科と、5教科のうち国語を除く4教科が喧嘩になります。
散々喧嘩した後、国語がぽつりとこう言います。
「俺達も、受験が済んだらちり紙交換に出されるんだよね」
それを聞いた理科や英語は「信じられない」と激しく落胆します。
「こんなに良いことがたくさん、書いてあるのに・・」
「所詮、教科書なんて・・受験までのものだよ」
激しく落胆した教科書たち・・
ついに、理科がみずからをちり紙交換に出そうとしますが、皆が揃って、押しとどめます。
結局、寝ている持ち主の生徒の耳に、「せめて大事にしてよ」と、みなで言うわけです。
落ちとしては、大事にする・・しかないとは思うのですが、昨今の受験を優先した教育カリキュラムの無視・・
折角購入しても一度も使われない教科書・・
こういったニュースがたまたま流れているときだけに、非常に示唆に富んだ物語となり、面白く見せて頂きました。
中学生がここまでの劇をするのは僕にとっては驚きですが・・
いやはや、結構、シビアな目を持っているようです。
子供たちが本当に学びたいものは、案外、いわゆる5教科ではなく、生活や人生に彩りを添える4教科のほうなのではないだろうかと・・思ってしまいました。
青年の基本的な常識の無さを嘆く声が多いですが、本当に学ばなくてはならないものを、すっ飛ばされているからこそ、そういう問題が出るのではないだろうか・・
ホント・・考えました。

