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「世界に戦いを挑む必要はない」と言い切った浦沢直樹に拍手を

 日経エンタテインメント9月号特集「世界で勝てる日本のエンタテインメント」に
漫画家浦沢直樹のインタビュー記事が掲載されている。

http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/201209/contents.pdf

 フランスで浦沢作品は絶大な人気で、招待を受けた浦沢は熱心なファンの姿
に思わず目をうるませるような感じになったそうだ。

 インタビューの中で浦沢はこう言っている。

  日本国内の人たちに向かって、できるだけ普遍的なドラマを届けようと思って
  いたことが、気づけば海外まで波及しているっていうのは、自分の努力はある
  程度は報われているかな、と。

 最近、「MASTER KEATON」全巻を揃えて一気に読んだのだが、やはり、
面白い。
 主にヨーロッパを舞台に、主人公の日本人の父と英国人の母を持つハーフの
タイチ・キートン、年老いてなお盛んな父、キートンの一人娘など、一癖もふた癖
もある登場人物たちの人間のドラマがしっかりと描かれている。

 「MASTER KEATON」だけではない。
 「YAWARA!」しかり、「20世紀少年」しかり、「PLUTO」しかり。
 今連載中の「BILLY BAT」もそうだ。

 そうした人間のドラマが実は日本だけでなく、異なる言語、文化の中で育った人
にもきちんと伝わり、心を震わせているという事実をもっと僕らは知り、反芻すべき
だと思う。

  世界でウケようとか勝とうとか、まず考えない。最初っから我々が生み出したもの、
  それが世界にどう受け入れられるかってだけであって、戦いを挑むようなことを
  する必要はまるでない。

 掲載紙の表題とは正反対のことを言っているようだが、僕はそうではないと思う。

 インタビューの最後はこう結ばれている。

  いつもどおりに、日本の中で一番面白いものを、僕らのセンスを信じて、作れば
  いい。日本で一番面白いものは、グロバールなものになるのだから。

 浮き足立つ必要は全くない。
 自分の足元を見つめ、手の届く範囲のことをしっかり着実にやりこなすこと。
 そこから全ては始まると思う。
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