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「レ・ミゼラブル」を読もう!
先日、古本屋の児童書コーナーで、
分厚い箱入りハードカバーの「レ・ミゼラブル」を見つけた。
福音館書店の古典童話シリーズの一つで、
通常、上下巻合わせて5000円のところ、
なんと半額の2500円だ。
箱から取り出し、パラパラとページをめくる。
何せハードカバーで上巻だけでも600ページを超える分厚さだ。
少しずしりと手に重い。児童向けとしてもちょっと分量が多い印象だが、
それでも完訳版よりは読み易い訳で、話の筋に直接関係のない内容、
例えばワーテルローの戦いやパリの下水道、
更に隠語などの記述は思い切って端折っている。
だからだろうか、テンポよく話がズンズン進んでいき、
立ち読みながらも思わず読みふけってしまった。
買おうかどうか迷ったが、自宅に完訳版があるからいいかと思い、
その日は結局買わずに店を後にした。
次の日、やはり気になってしょうがなく、再度店に行き、
気付いた時には分厚く重い本を2冊、小脇に抱えてレジに並んでいた。

「レ・ミゼラブル」はいつ読んだのだろうか。

自宅の本棚の岩波文庫の豊島与志雄訳は全4巻だが、
4巻の末尾を見ると、「平成5年7月22日再読了」と記されている。
こういう時に読了した本の読了日を書いておくと助かる。
再読了というから、その数年前に初めて通読したのだろう。
ああ、もう20年も前のことなんだ。随分経ったんだな。
記憶を辿ると、岩波の豊島訳の他、確か新潮文庫版も読んでいるから、
「レ・ミゼラブル」は都合、3回は読んだことになる。
それとミュージカルも帝劇で1回、大阪でも1回行ったことを覚えている。
CDラックにはロンドンオリジナルキャストの録音のCDがある。
面白かったので、CDを買って、何度も聴いていた。
「民衆の歌」なんて、最高だった。

それにしても、まさか古本屋で「レ・ミゼラブル」と再会するとは
思ってもいなかった。
その古本屋は全国チェーンで、
マンガやゲーム、CD、DVDが大半を占めていて、
古典や歴史関連はあんまりない。
明るすぎる照明の店内には、天井から安っぽいポップスが流れていて、
ほとんどの人がマンガの立ち読みに没頭している。
まあ、かくいう筆者もマンガは嫌いではなく、此処に来たときも、
もっぱらマンガコーナーをうろちょろしている。
そんな喧騒に満ちた店内で、
まさか再び「レ・ミゼラブル」と会うことになるとは。

改めて読み返してみて、
「レ・ミゼラブル」には色んな要素が散りばめられていることを感じた。

平凡なジャン・バルジャンが犯罪に手を染めていく過程には、
貧困という社会の悪弊が犯罪を生み出している様が描かれている。
彼を救う司祭ミリエルも、決して初めから道徳的であったわけではなく、
放蕩と遍歴の果てに崇高な境地を掴んだ。
美しくて純粋なファンティーヌの恋と出産、
そして転落はあらゆる時代の女性の悲劇だ。
テナルディエ夫妻とて、決して悪の権化ではあるまい。
ただその所為を許せるかどうかは別問題だ。
マリユスの思想遍歴は、
影響を受け易い若者の揺れ動く心を見事に描いている。
結社ABCの学生たち、中でもリーダーのアンジョーラは、
今流行りの幕末の志士か、はたまたチェ・ゲバラを彷彿とさせる。
忠実な法の下僕ジャベールからのジャン・バルジャンの逃走劇は、
刑事ドラマの原型とは言えまいか。
そして、コゼットだ。
彼女の置かれた状況はまさに現代で言う児童虐待そのままだ。
今なお苦しい状況に追いやられている母子家庭(父子家庭)そのままだ。
ジャン・バルジャンがテナルディエ夫妻からコゼットを救い出すシーンは、
今回読み返してみて胸塞がれる思いがした。
結婚し子供をもうけてみて、
はじめてこのシーンの意味が理解できたように思う。

今こそ、「レ・ミゼラブル」を読みたい。
少し前に流行った「蟹工船」も良いが、「レ・ミゼラブル」を読みたい。


  法律や慣習による厳しい社会的制裁が存在するかぎり、
  つまり、
  神聖であるべき運命を人間がゆがめ、
  この文明社会のまっただなかに、
  宿命的な地獄を作り出しているかぎり、
  また、
  今世紀がかかえている問題、
  すなわち、貧困による男性の堕落、
  飢餓による女の転落、
  暗黒におびえる子どもたちの不幸、
  この3つの問題が解決されないかぎり、
  また、
  あちらこちらの地方で、
  社会的な窒息状態の生じる可能性があるかぎり、
  要するに、
  この地上に無知と悲惨が存在するかぎり、
  このような性質の書物もけっして無益ではないだろう。


1862年、権力からの迫害を逃れて亡命中にユゴーが記した
「レ・ミゼラブル」の序文は、150年経った今も色褪せていない。

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