トウモロコシからエタノール燃料を1リットルを作るのに、約0.77リットルの燃料が必要です。
サトウキビからエタノール燃料1リットルを作るのに、約0.13リットルの燃料が必要です。
エタノール燃料の原料として、アメリカのトウモロコシがブラジルのサトウキビに勝てる見込みは全くありません。
なぜこんな話をするのかといえば……
トウモロコシは、今なお、史上空前の高値近くをうろうろしています。
ところが、サトウキビを原料とする粗糖の先物の当限価格は、最近1トンあたり30,000円を割り込んでいます。これって、1990年代ごろの高水準を下回っていますから、原油高にもかかわらず、粗糖価格はすでに沈静化しているといえます。5月27日の東京粗糖では、当限28,200円、先限35,700ですから、先限は、既に、当限や現物の安さに目をつけている売り方の制空権内に入っています。
トウモロコシからエタノール燃料を作り続ければ、餓える人がまだまだ増えます。
サトウトウキビを原料としなければならないのです。
しかし、アメリカは政策転換に踏み切れない。「エネルギー安全保障」という妄念が邪魔になる。
トウモロコシの成功の見込みが絶望的でも、アメリカは自国内でたくさん取れるトウモロコシを原料にしたい。
アメリカはここ半世紀以上もの間、まともな外交をやった経験がありません。アメリカの外交は、このところ常々、軍事力をちらつかせながらの内政干渉にほかなりません。それゆえ、アメリカは南北アメリカ経済圏の中にあるブラジルすら信頼できないし、ブラジルのサトウキビをあてにしたくない。
ある意味、アメリカは第二次世界大戦のトラウマからまだ立ち直れていない。
平和省を作り、軍事力頼みの外交ではなく、鍛え上げた交渉力でぶつかる本物の外交ができるようになって初めて、アメリカは本当に国益になる選択肢を取れるようになると思います。


