ジニ係数は格差の大きさを0〜1の数字で表したもので、格差が大きいほど1に近づいていく。
10世帯ある小さな架空の村で、所得のジニ係数を出してみよう。
所得の単位は万円とする。
| 世帯 |
所得 |
EL |
LC |
EL − LC |
| #1 |
1200 |
3900 |
3900 |
0 |
| #2 |
600 |
3477 + 7/9 |
2700 |
777 + 7/9 |
| #3 |
300 |
3055 + 5/9 |
2100 |
955 + 5/9 |
| #4 |
300 |
2633 + 1/3 |
1800 |
833 + 1/3 |
| #5 |
300 |
2211 + 1/9 |
1500 |
711 + 1/9 |
| #6 |
300 |
1788 + 8/9 |
1200 |
588 + 8/9
|
| #7 |
300 |
1366 + 2/3 |
900 |
466 + 2/3 |
| #8 |
300 |
944 + 4/9 |
600 |
344 + 4/9
|
| #9 |
200 |
522 + 2/9 |
300 |
222 + 2/9 |
| #10 |
100 |
100 |
100 |
0 |
「EL」は「Even Line」のことで、日本語では「均等分布線」という。AのELの欄には#1〜#10の所得の合計を入れ、#10のELの欄には#10の所得を入れる。#9のELの欄には#10のELに( 3900 − 100 ) ÷ 9を足したものを入れる。#8の欄には#9のELに( 3900 − 100 ) ÷ 9を足したものを入れる。#2のELまで同様に計算して入れていく。
「LC」は「Lorenz Curve」のことで、日本語では「ローレンツ曲線」という。#10のLCには#10
の所得を入れる。#9のLCには#10のLCに#9の所得を足したものを入れ、#8のLCには#9のLCに#8の所得を足したものを入れる。#2のLCまで同様に入れていく。
では、EL − LCの欄すべての合計を、ELの欄すべての合計で割ってみよう。
ジニ係数 = 4900 ÷ 20000 = 0.245
所得ジニ係数0.245は普通の配分の社会ということになる。
では、もうちょっと競争の激しい社会を考えてみたいが、その前に、面倒なので、#2以下の所得の計算方法を次のようにしておこう。
#2の所得 = ( 3900 − #1の所得 ) ÷ 9 × 2
#3〜#8それぞれの所得 = ( 3900 − #1の所得 ) ÷ 9
#9の所得 = ( 3900 − #1の所得 ) ÷ 9 × 2/3
#10の所得 = ( 3900 − #1の所得 ) ÷ 9 × 1/3
#1の所得が増えると、#2〜#10の所得は減る。
#1の所得が1800万円になると、平凡な#3〜#8の所得は約233万円、貧しい#10の所得は約78万円になる。これでジニ係数は約0.366だが、競争を促すには良いこともあるとされる。
さて、OECD統計から計算すると、現在の日本の所得ジニ係数は約0.53である。
この村の所得ジニ係数がそのくらいになるまで、じわじわと#1の所得を増やしてみると
#1の所得 = 2600万円
#2の所得 = 約289万円
#3〜#8それぞれの所得 = 約144万円
#9の所得 = 約96万円
#10の所得 = 約48万円
のときに、所得ジニ係数は約0.529になる。
ここまで格差が大きくなると、もうあまり競争にすらならない。競争があまりないのだから、村全体の経済もほとんど成長しなくなる。
経済学者たちのこれまでの経験から、所得ジニ係数が0.50を超えると、政府がそれを修正する必要があるとされている。