「サブプライムローン」という名前のローン契約があるのではない。ある種類のローンが「サブプライム」であるということは、その種類のローンで支払い遅延率や不履行率が高いまたはやがて高くなると見なされているということである。サブプライムに分類される条件は、
- 過去12ヶ月間に30日間以内のローン返済延滞が2件以上
- 過去24ヶ月間以内に60日以内の延滞が1件以上
- 過去24ヶ月間に法定判決、抵当物件の差押え、担保回収、ローンの不払いがある
- 過去5年間に自己破産がある
- 信用調査機関のリスクスコアが所定の値を下回る。
となっている。サブプライムローンは過去に問題を起こした人の立ち直りに賭けていることになる。
アメリカのサブプライムローンの大部分の中身は土地建物を担保とした住宅ローンだ。この住宅ローンによるサブプライムローン市場の拡大は1994年頃に顕著になりだし、以降の10年間で年平均25%の成長を見せた。
8月中旬のドル暴落は、約10兆ドルの住宅ローン全体の1/10程度を占めているサブプライムローンで、物件差し押さえ率が20%にも達しようとしている地域が急増していることが分かってきたからだ。
ヨーロッパの中央銀行は以前から既にローン証券の買い支えを実行している。アメリカ連邦準備制度理事会の利下げによる対応も十分に素早かった。
しかし、焦げ付き懸念の本当の理由には手が付けられていない。ローンが焦げ付くか否かを決めるのは、貸し手である金融機関の資金繰りではなく、借り手である個人の支払い能力だ。
低所得者層の所得を増やすか、あるいは、国民健康保険制度の導入などで生活を下支えしなければ、焦げ付き懸念は何度も市場を揺さぶり続けることになる。
懸念の最終的な解消はホワイトハウスの仕事だが、何も動きが見られない。この機能不全は、まるで1930年代初頭のフーバー政権を思わせる。




